現在当院では手術は行っておりません。
包茎とは?
男性は、18歳前後までに、ペニスの先端の皮膚が陰茎の根元の方へ後退し、亀頭が露出します。いわゆる「皮がむける」ということです。ただし、さまざまな理由によって皮膚が後退せず、亀頭が一部、またはすべて隠れている状態のままであることがあります。これが包茎です。
包茎の種類
包茎は、「仮性包茎」「カントン包茎」「真性包茎」の3つに分類されます。いずれかにあてはまる場合には、ご相談ください。
仮性包茎
平常時は包皮(ペニスの先端の皮膚)が亀頭を覆っていますが、手で亀頭を露出させることができる状態を「仮性包茎」と呼びます。包茎の中で、もっともよく見られるタイプです。勃起したときに亀頭が自然と露出する人もいれば、勃起しても亀頭がほとんど露出しない人もいますが、どちらも仮性包茎に含まれます。無理に亀頭を露出させると、腫れが起こり元に戻らなくなります(カントン包茎)。
カントン包茎
仮性包茎の方が、無理に亀頭を露出させようとした場合などに起こる包茎です。包皮の先端部が狭いにも関わらず無理に亀頭を露出させると、包皮が亀頭の根元を強く締め付け、元に戻らなくなり、場合によっては亀頭が大きく腫れてしまうこともあります。カントン包茎は、亀頭をうっ血させたり、壊死させる可能性があります。カントン包茎になってしまった場合には、速やかに医療機関を受診してください。
どういったときにカントン包茎になるか
具体的には、包茎を気にしてご自身で無理に皮をむこうとしたときなどに起こります。また、例え意図していなくとも、セックスの際にはずみでむけてしまうことがあるので注意が必要です。こういったリスクを根本的に排除するためには、包茎そのものを治しておく必要があります。
真性包茎
平常時・勃起時問わず、亀頭が常にすべて隠れている状態が「真性包茎」です。常に皮に包まれた亀頭は成長を阻害されますので、真性包茎は先細りのペニスになる原因とも言えます。正常なセックスができず、衛生面でも好ましくありませんので、早期に手術を行う必要があります。
包茎を放っておくと…
仮性包茎を放っておくと
仮性包茎は、基本的に日常生活に支障をきたすことはありません。また、セックスの際にも痛みはなく、手術をせずに長く過ごしている方も実際にはいらっしゃいます。
ただし、仮性包茎を放置していると、以下のような問題が起こります。
- 亀頭の発達が不十分となり、先細りのペニスになりやすい。
- 亀頭が露出する機会が限られており、内側にカスが溜まり、不衛生になりやすい。また、悪臭も起こりやすい。
- 亀頭に白いブツブツができることがある。
- 包皮と亀頭の間に陰毛が入り込み、引っ張られ、痛みを伴う。
- 包皮や亀頭に炎症が起こるリスクが上昇する。
- 不衛生になりやすいため、性感染症のリスクが上昇する。
性生活における考えられるデメリット
- 仮性包茎は、人によってはコンプレックスになります。また、中には良いイメージを持たないパートナーもいます。そのため、異性やセックスに対して消極的になる傾向があるようです。
- 仮性包茎は、イメージではなく、実際に不衛生になりがちですので、パートナーに菌などを移す可能性も高まります。中には不妊症や子宮頸がんの原因となる菌もありますので、注意が必要となります。
- 亀頭が皮に包まれている時間が長いため、亀頭が刺激に慣れず、敏感で、早漏になりやすい傾向が見られます。
- 早漏と反対に、亀頭に皮がかぶっているために感度が落ち、重度の場合にはED(勃起障害)に至る可能性があります。
カントン包茎を放っておくと
カントン包茎、またはカントン包茎のリスクを抱えた状態(包皮口が狭い状態)のままでいると、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 亀頭を露出させられないため、亀頭が敏感なままであり、将来的に治療により亀頭を露出させたときに早漏になりやすい。
- 亀頭を露出させられないため、亀頭と包皮の間にカスが溜まり、不衛生になりやすい。また、悪臭も起こりやすい。
- 包皮と亀頭の間に陰毛が入り込み、引っ張られ、痛みを伴う。
- 包皮や亀頭に炎症が起こるリスクが上昇する。
- 不衛生になりやすいため、性感染症のリスクが上昇する。
性生活における考えられるデメリット
- カントン包茎のリスクがある状態(包皮口が狭い状態)でいると、勃起時も亀頭が包皮に包まれており、その見た目を気にして、異性やセックスに対して消極的になってしまう傾向があるようです。また、中には良いイメージを持たないパートナーもいます。
- 包皮口の狭い状態の方がカントン包茎になるきっかけとして、セックスがあります。意図せず包皮がむけ、カントン包茎になると、その記憶からセックスに対しておそれを抱いてしまうケースもあるようです。
真性包茎を放っておくと
健康保険が適用されることからも分かるように、真性包茎は治療すべき状態です。以下のようなリスクを抱えています。いずれも、仮性包茎やカントン包茎よりも大きいリスクと言えます。
- 不衛生になりやすく、悪臭を放つことがある。
- 極度の不衛生に陥ると、陰茎がんを招くことがある。
- 包皮により亀頭の正常な成長が邪魔されて、短小、先細りのペニスになることがある。
- 無理に亀頭を露出させようとすると、痛みがあり、露出させられない。
性生活における考えられるデメリット
真性包茎は、仮性包茎、カントン包茎と比べても、性生活への影響は大きなものです。異性やセックスに対しての不安や不衛生・悪臭のリスクに加え、真性包茎の場合、亀頭が包皮に覆われているため、膣内で射精したときに精子が包皮に邪魔され、子宮に届く精子が少なくなる可能性があります。これは実質的に、不妊のリスクを高めることになります。